茅ヶ崎の海の近くにある静かな旅館での、四季折々を綴ってゆきます。
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植物のある空間

  
  

茅ヶ崎にも冬が訪れました。
一歩外に出ると、冷たい空気に包まれます。
しかし館内では、赤や黄など、暖色の植物が、冷たい空気をゆるめてくれるような気がします。

日本の建築空間て、とてもおもしろいなぁと日々感じます。

たとえば、茅ヶ崎館でお食事のお客様をお迎えするとき。
最初はがらんどうの畳の部屋を障子で区切り、机を配置し、椅子を並べ、お盆をセットし、明かりを灯し、お客様をお迎えする準備をしていると、まるで毎回、まっさらな劇場に舞台をセットしているような気持ちになります。
お客様が帰られると、一度セットされた舞台がまた解体され、次のお客様に向けて、新たに舞台が組みなおされる。

このように、その瞬間瞬間ごとに、様々な表情の舞台を作り上げることができるのが、日本の空間のおもしろさではないかと思います。
障子の使い方、照明の効果、室礼、外の空気や光の移ろい・・・など、そのときどきの舞台を作り上げる要素は数多くあるかと思いますが、中でも個人的には、植物の持つ力に魅力を感じています。

花火





先週末、茅ヶ崎の海岸にて、花火大会が行われました。
海岸のほど近くにある茅ヶ崎館からは、花火がよく見えます。

書の世界




現在食事の個室として使用している五番のお部屋に、掛け軸がかかっています。

最近この書が、頭山満の書いたものであることが判明いたしました。

中国の古い諺である

「運用の妙は一心に存す」

という言葉が記されています。

「戦術や規則というものは、それだけを守っても実際の役には立たず、その時に応じて臨機応変に活用する人の心ひとつにかかっている」といった意味です。

シンプルながらも、鋭く深い言葉に思えます。

果てしなく広がりうる言葉の意味を、シンプルかつ本質を突いた言葉の並びに凝縮し、それを墨の質感や文字の空間というデザインに昇華する。
「書」という行為は、大変奥深いものと感じます。

明治から昭和にかけての、日本の歴史の激動期に、まさに激動の人生を歩んだであろう頭山満は、晩年どのような思いでこの書をしたためたのでしょうか。

現在の私には、到底分かるはずもありませんが、現存する様々な資料や、書から得る直感をもとに、ふと掃除する手を休めて書を眺め、思いを馳せて、心の旅をしてみるのも、また楽しいものです。

風待月

久しく更新をご無沙汰してしまい、大変失礼いたしました。

ブログをお休みしている間に梅雨が来、そして梅雨があけ、現在はかんかんに暑い日が続いています。
あんなに太陽が恋しかった六月でしたが、こうも乾燥機の中にいるような毎日では、雨が懐かしくもあり、とかく人間とはわがままなものです。

この六月に出会った素敵な言葉に、「風待月」というのがあります。
陰暦の六月の異称で、言葉のとおり、「風が吹くのを待つ月」の意。
じめじめとした梅雨の季節に風を待つ心境、あるいは雲が晴れてほしい月の心境を表した言葉でしょうか。
とてもロマンティックな言葉です。

そんな風待月に切り取った、茅ヶ崎館のシーンをいくつかご紹介いたします。


 
 

室礼 早苗月
色とりどりのお花の時期が過ぎ、今は日に日に濃くなる緑にあふれる茅ヶ崎館です。
白いお花が清涼感を添えています。
このところ雨が続いていましたが、今日は日差しも風も爽やかで、思わずにやりとしてしまうほど気持ち良い一日です。





小津監督と金雀枝



茅ヶ崎館のお庭では、金雀枝(エニシダ)が黄色い花びらを開いています。

金雀枝は、江戸時代に中国から渡来した落葉低木です。
細い枝が噴水のように広がり、枝のそこかしこに小さく黄色い花が散っています。

小津安二郎監督は、茅ヶ崎館の庭にある、この原色の金雀枝がお気に入りでした。
小津監督が脚本を書き出す頃に芽吹き、脚本が軌道に乗る頃に花をつけ、花が満開か、あるいは種が飛び散ってしまった頃、脚本が完成したそうです。
金雀枝が芽吹いて花を咲かし、種を散らす時期が、ちょうど脚本執筆の時期とも重なっていたため、特に思い入れも強く、時に脚本執筆の里程標にもなっていたようです。

金雀枝がお気に召したあまり、あるとき小津監督は、茅ヶ崎の金雀枝を北鎌倉のご自宅に移植したそうですが、残念ながら枯れてしまったそうです。

この金雀枝も、戦後の海岸地区の宅地開発により、残念ながら数が激減してしまったそうです。

それだけに、茅ヶ崎館の金雀枝は、これからも永く花を咲かせ続けてほしいと願います。


参考文献 『小津安二郎と茅ヶ崎館』(石坂昌三・新潮社)

春の彩り

ツツジのピンク、エニシダの黄色、芝生の緑色、ボタンの薄い桃色…
4月の茅ヶ崎館は、お庭から館内まで、色で溢れています。まさに花月。
お天気が落ち着かず、昨日からあいにくの雨。
でも雨を浴びると、湿気を帯びた新緑がみずみずしく光っています。








  
 

室礼 花月
春らしい陽気に包まれたかと思ったら、みぞれ混じりの雨が降ったり、なかなかお天気が安定しない4月です。
しかしながら、樹木の緑は日に日に濃くなり、道ばたや民家の庭先など、いたるところにぽつりぽつり色とりどりの花が咲いています。

みずみずしく鮮やかな季節がやってまいりました。

茅ヶ崎館のお庭にも、朱色や薄紅色のツツジ、黄色のエニシダが咲き始めました。
館内も、先日行われたご結婚式の名残で、鮮やかな雰囲気です。



大岡越前祭

茅ヶ崎では、今週末、「大岡越前祭」が開催されております。

大岡越前祭とは、江戸時代に活躍した名奉行・大岡越前守忠相の功績をたたえる祭として、大正時代の頭に始まりました。

あまり知られておりませんが、大岡越前祭は、もともと茅ヶ崎館初代・森信次郎の提案で始まりました。

ある日、庭の植木を取りに、町の北東にある堤の山を訪れた初代・信次郎は、浄見寺の草むらに埋もれ、訪れる人もなく荒れ果てた大岡越前守一族の墓を発見したのでした。
そこで信次郎は、当時の町長に、大岡越前守をたたえる祭を提案したのでした。
それが現在も「大岡越前祭」として続いています。

現在は茅ヶ崎市の四大祭のひとつとも言われ、墓前法要や越前行列、パレードなど、様々な催しが行われています。

ようやくお天気にも恵まれた日曜日、茅ヶ崎までお越しの際は、ぜひお祭りの様子を覗いてみてはいかがでしょうか?

参考ページ
茅ヶ崎市観光協会 
http://www.chigasaki-kankou.org/event/festival01/index.html

花冷え

茅ヶ崎では先週末ぐらいにようやく桜が満開となりました。
しかし、花冷えが続き、雨も降ったりで、なかなかコートと傘が手放せない毎日です。
早く薄手の上着で散歩できる日が訪れるとよいものです。

茅ヶ崎館でも桜が綺麗に咲きました。
写真は、五代目が撮影した、夜桜です。