茅ヶ崎の海の近くにある静かな旅館での、四季折々を綴ってゆきます。
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室礼 花月

ぽっ、ぽっ、ぽっ と、館内のあちこちに花が咲いております。

 

 

 

光と影



部屋の明かりを消したら浮かび上がる、光と影のゆらぎ

植物のある空間

  
  

茅ヶ崎にも冬が訪れました。
一歩外に出ると、冷たい空気に包まれます。
しかし館内では、赤や黄など、暖色の植物が、冷たい空気をゆるめてくれるような気がします。

日本の建築空間て、とてもおもしろいなぁと日々感じます。

たとえば、茅ヶ崎館でお食事のお客様をお迎えするとき。
最初はがらんどうの畳の部屋を障子で区切り、机を配置し、椅子を並べ、お盆をセットし、明かりを灯し、お客様をお迎えする準備をしていると、まるで毎回、まっさらな劇場に舞台をセットしているような気持ちになります。
お客様が帰られると、一度セットされた舞台がまた解体され、次のお客様に向けて、新たに舞台が組みなおされる。

このように、その瞬間瞬間ごとに、様々な表情の舞台を作り上げることができるのが、日本の空間のおもしろさではないかと思います。
障子の使い方、照明の効果、室礼、外の空気や光の移ろい・・・など、そのときどきの舞台を作り上げる要素は数多くあるかと思いますが、中でも個人的には、植物の持つ力に魅力を感じています。

書の世界




現在食事の個室として使用している五番のお部屋に、掛け軸がかかっています。

最近この書が、頭山満の書いたものであることが判明いたしました。

中国の古い諺である

「運用の妙は一心に存す」

という言葉が記されています。

「戦術や規則というものは、それだけを守っても実際の役には立たず、その時に応じて臨機応変に活用する人の心ひとつにかかっている」といった意味です。

シンプルながらも、鋭く深い言葉に思えます。

果てしなく広がりうる言葉の意味を、シンプルかつ本質を突いた言葉の並びに凝縮し、それを墨の質感や文字の空間というデザインに昇華する。
「書」という行為は、大変奥深いものと感じます。

明治から昭和にかけての、日本の歴史の激動期に、まさに激動の人生を歩んだであろう頭山満は、晩年どのような思いでこの書をしたためたのでしょうか。

現在の私には、到底分かるはずもありませんが、現存する様々な資料や、書から得る直感をもとに、ふと掃除する手を休めて書を眺め、思いを馳せて、心の旅をしてみるのも、また楽しいものです。

室礼 早苗月
色とりどりのお花の時期が過ぎ、今は日に日に濃くなる緑にあふれる茅ヶ崎館です。
白いお花が清涼感を添えています。
このところ雨が続いていましたが、今日は日差しも風も爽やかで、思わずにやりとしてしまうほど気持ち良い一日です。





室礼 花月
春らしい陽気に包まれたかと思ったら、みぞれ混じりの雨が降ったり、なかなかお天気が安定しない4月です。
しかしながら、樹木の緑は日に日に濃くなり、道ばたや民家の庭先など、いたるところにぽつりぽつり色とりどりの花が咲いています。

みずみずしく鮮やかな季節がやってまいりました。

茅ヶ崎館のお庭にも、朱色や薄紅色のツツジ、黄色のエニシダが咲き始めました。
館内も、先日行われたご結婚式の名残で、鮮やかな雰囲気です。



室礼 桜月
 

お庭の椿が、固い蕾をようやく開きました。
館内のところどころに、鮮やかな椿の斑点が散っています。




桃と椿。薄紅色の柔らかな花びらを見ていると、いっそう春が待ち遠しくなります。
室礼 如月


節分の由来は、大昔に中国から伝わってきた追難の儀式だとか。
かつて「鬼」といえば、この季節の寒さや疫病のことだったそうです。
現代では何が「鬼」でしょうか。もしかしたら、自分の心の中にあるのかもしれません。

硬い大豆は鬼を追い払うための武器。
柊の鋭い刺で、鬼の侵入を防ぎます。

参考文献 山本三千子『室礼十二ヶ月』(叢文社)
室礼 初月
室礼 初月

新しい年が始まると、初々しく凛とした気持ちになります。
たっぷりのセンリョウの間に、白い菊、ぴんと背を張った松を添えて。